夜寝ている間に視力を矯正! 近視の方の新しい治療法「オルソケラトロジー」。
オルソケラトロジーとは
近視および近視性乱視の角膜に、特殊なデザインのハードコンタクトレンズを就寝時に装用することで、角膜の形状を一定期間変形させ、日中裸眼で過ごせるようにする視力矯正治療です。
日中、コンタクトレンズや眼鏡をかけなくてもよくなるため、ストレスもなく、快適に過ごす事ができます。
オルソケラトロジー治療には、向き不向きがありますのでまずはお気軽にご相談ください。
オルソケラトロジーの仕組み
- 光が網膜手前でピントを結ぶため、遠くのものがぼやけて、見えにくくなるのが「近視」です。
- 特殊なコンタクトレンズが寝ている間に角膜を矯正し、網膜にぴったりピントが合うようにします。
- 夜矯正された角膜が一定時間保たれますのでその間裸眼視力が改善します。
オルソケラトロジーの特徴
日中裸眼で生活ができます。
- スポーツ時の眼鏡やコンタクトレンズが気になりません。
- コンタクトレンズ装用中では使用できない点眼薬を使うことができます。装用をやめれば角膜形状は元に戻ります。
- 角膜屈折矯正手術(レーシック等)と異なり形状が元に戻るので安心です。
- 基本的に毎日(個人差があります)装用する必要があります。慣れるまで多少時間が必要です。
- 角膜の形状が安定するまで1週間から1か月程度、時間が掛かります。
- 就寝時に装用するため、異物感は感じにくいですがハードコンタクトレンズを着けて就寝することに慣れて頂く必要がございます。
オルソケラトロジーに向く人
- 軽度・中等度の近視
近視が強すぎると矯正できません。 - スポーツをする
特に接触のあるスポーツや激しいスポーツ(格闘技、ラグビー、水泳、等) - 手術に抵抗のある人
手術ではないので装用を中止すれば元に戻ります。 - しっかりと睡眠がとれる人
装用時間が短いと矯正効果も弱くなり視力が不安定に。 - 定期検査に通うことできる人
オルソケラトロジーレンズは医療用具です。誤った使用は目に重大な不可逆性変化を来す恐れがあります。定期検査は必ずお願いします。
オルソケラトロジーと近視進行抑制効果
オルソケラトロジーを行うことで、学童期の近視の進行を抑制できることが知られています。(統計的に証明された論文が多数報告されています)
近視進行のメカニズム(近視抑制治療の項を参照)の、軸外収差に効果があるとされています。
近視眼に対して通常の単焦点眼鏡で矯正を行うと、周辺部にはピントが合っていない焦点ぼけを生じてしまいますが、オルソケラトロジー後は周辺部角膜が中心部角膜に比べて急峻化するため周辺での屈折力が増し、その結果、周辺網膜像での焦点ぼけが改善するという仮説が提唱されています。
オルソケラトロジーで使用するレンズ
当院では、TORAY(東レ)社の角膜矯正用コンタクトレンズ「ブレスオー®コレクト」を使用しています。
国内で生産されて日本人向けに開発されたレンズで、レンズ自体が柔らかく日本人に合ったレンズカーブデザインで作られているとのことです。
https://www.universalview.jp/
外部リンクですが、オルソケラトロジーについてわかりやすく説明されている
「オルソためそ。」もご参照下さい。
オルソケラトロジー治療の流れ
治療を開始後、見え方は徐々に変化していきます。
安定した視力が得られるまでのイメージ
最初のうちは不安定ですが、徐々に安定してはっきり見えてきます。
安定期に入ると2日に1回の装用でも裸眼で過ごせるようになる方もいらっしゃいます。
オルソケラトロジー治療開始までの手順
1. 初回検査
- 予約制です。
- オルソケラトロジー治療が適応可能かを判断する検査になります。
- コンタクトレンズ、他社のオルソケラトロジーレンズを装用されている方はご相談ください。レンズが角膜に影響を及ぼしています。正確な検査ができませんので、レンズのご使用を一旦休止してから検査となります。
・ソフトコンタクトレンズ:検査の1週間前から
・乱視用ソフトコンタクトレンズ:検査の2週間前から
・ハードコンタクトレンズ:検査の3週間前から
・他社のオルソケラトロジーレンズ:検査の1か月前から
2. お試し装用
- 10日間装用体験することができます。
- 装用開始翌日・4日目・10日目に検査を行いますのでご来院ください。
- 期間中のケア用品についてはこちらでご用意いたします。
3. 治療開始
- トライアルレンズを返却いただき、新しいレンズをお渡しします。
- 治療を開始する場合は必ず同意書にサインしていただく必要があります。
(未成年者の場合は保護者の同意が必要です。)
4. 定期検査
- 治療開始から以下の日程で来院が必要になります。
1か月後、3か月後、6か月後、9か月後、1年後(以降3か月毎) - 定期検査は治療後の安全性・有効性の確認に大変重要になります。
- お守りできない場合は途中で治療を中止させていただく場合がございます。
- 眼の状態により定期検査以外にも来院が必要になることがございます。
オルソケラトロジー治療費用について
初回検査・お試し装用
適応検査料金 2,000円 + お試し装用費用 3,000円
本治療
初年度 両眼 160,000円 / 片眼 100,000円(レンズ、定期検査費用)
2年目以降 検診費用 2,000円/回
定期検査以外の受診、点眼液、ケア用品については別途費用が必要となります。
オルソケラトロジ―治療は自由診療ですので、保険適応外で全額自己負担となります。
オルソケラトロジー治療は、医療控除申請が可能です(領収書が必要となります)